帰巣本能に優れ、迷い犬にならない豆柴

「迷い犬」の貼り紙とは無縁の小豆柴・豆柴。

20130428-tyaよく、街中の電柱等で「迷い犬」の貼り紙を見かけます。そんなウエブサイトもあります。愛犬が失踪したとき、飼い主の不安な気持ちは想像に余りあるものがあります。焦燥感、不安感、寂寥感、後悔感が綯い交ぜになった陰鬱な心境となり、それは食べ物も喉を通らない、夜も眠れない辛い思いなのです。それは可愛がっていた度合の強かった方ほど深刻と言えましょう。

小豆柴や豆柴は、そんな思いをしなくて済むのですから、その利点も少なくはありません。必ず帰ってくるからです。これは日本犬のもっている強い帰巣本能の賜物と言えるとともに、これは「無駄吠えをしない」こと「排便の躾が楽」なことと並んで有する日本犬固有の生得的行動なのです。

飼われ始めて、僅か1週間なのに、帰ってきた豆柴の実話。

2011年3月11日「東日本大震災直前のことです。仙台からお出でになった方から「豆柴の成犬を譲って戴けませんか」とのご要望があり、丁度同じレベルの種牡にゆとりがあり、赤の牡を1頭お譲りしたのです。それから1週間後の散歩中の出来事でした。

いつものように仙台の町を散歩させていたとき、首輪が緩かったせいで抜けて、人混みの中に消えてしまったそうです。探しても見当たらず、まだ来たばかりの成犬なので、どこかに行ってしまつたのだろう、と思いながらも諦めきけない不安な心境で帰ってみたら、玄関先に座って待っていたそうです。そのときの感激と喜びのメールをいただいたとき、目頭が熱くなったことを覚えています。

ただ盗まれないようには注意してください。

こんな実例もあのます。ある朝、いつものようにゴミ出しをしていた際、これは未だ1歳にはならない牝の豆柴ですが、帰ってみたらいないのに気づいたそうです。今までは、玄関を開けたままノーリードで屋内を自由にさせていても、外に出てゆくことはなかったそうです。

探してもいないので仕方なく、保健所、市役所、それに警察にも届け出たが未だ出てこないのですが、何か方法はありませんか、との電話のご連絡をいただいたのは、翌日のことでした。昨夜はろくに眠れなかったと、とても心配しておられましたので、早速アドバイスしてさしあげたのです。

「それは、間違いなく誰かが、飼っていますよ。それもご近所の筈です。チラシ2,30枚を作って、散歩コースの範囲の電柱に貼り紙してみて下さい。必ず、出てきます。善意で保護しているつもりかもしれませんが、必ず誰かが拘束していますよ」と。拘束されさえしなければ、必ず帰ってくると確信していたからです。

「矢張り出てきました。ご近所の方が飼っていたそうです」とのご連絡をいただいたくのに大した時間はかかりませんでした。この場合はご近所の方が拘束していたので結果として最悪の事態にはなりませんでしたが、もし、車で通行中の人が可愛いからと車に乗せていってしまえばどうにもなりません。ですから豆柴は帰巣本能に優れているといっても、盗まれてしまえば取り返しがつかない結果となります。したがって、盗難には十分な注意を払っていただくことが望まれます。