服従訓練の方法と重要性

20121130s-41家族の一員として迎え入れる子犬。迎え入れた当初の子犬はとても可愛いものです。ついつい、可愛い、可愛いと甘やかしの飼い方をなさる方が少なくありません。その結果は、ある日突然玩具を取り上げたら唸った等「あれっ!」と思われる事態に直面して、「あんなに可愛がったのに・・・」と、不安の淵に立たされることがあるかも知れません。所謂、権勢症候群の始まりです。

そうならないためには服従訓練が不可欠です。その犬が幸せに暮らし、癒しと潤いを享受するには、主従関係の確立が不可欠となりますが、それは意識するとしないとに拘わらず、服従訓練の結果と言うべきでしょう。従って、迎え入れたその日から、そのことを念頭においた飼育が望まれます。

訓練のコツとも言うべき教え方の要諦。

訓練の目的は何かを、しっかり認識する。

何のために訓練をするのかを考えたとき、一番に思い起すことは「よく言うことを聞いて、思いどおりの行動をする賢い犬になってもらいたい」ということではないでしようか。それを踏まえて訓練にとりかかることを前提に、訓練の仕方について以下説明いたします。

訓練に焦りは禁物と、胆に銘ずる。

問題は、どうやって訓練すればそうなるのか、ということです。飼う以上その方法を知りたいのは、誰しも同じことでしょう。そのため、色んな本を買って読み漁ってみたものの中々うまくいかない、難しい、との声を多く聞いてきました。何故でしょう。

それは難しいというより、本当のやり方を掴み得ていないからです。形だけではダメだ、ということです。そこにはコツ、いや職人技と言った方が良いくらい、呼吸のようなものがあるからです。同じ資格を持っプロの訓練士でさえも、その訓練能力には大きな隔たりがあるのが事実です。

犬の訓練に一番大切なことは、何よりも根気、気長に取り組むこと、決して焦らないことです。急がば回れの諺どおり、じっくり構えてとりかかることが肝要です。

犬の訓練は叱って教えるのではなく、褒めて覚えさせる。

ご褒美はドッグフードを使う。

本当のプロなら、出来たときの褒美は褒めることだけでなければ一人前とは言えません。しかし、ご家庭で愛犬家が訓練する場合は餌(ドッグフード)を使って行うのが早道です。ただし、ある時期がきたら「褒めるだけの褒美」に切り替えることを忘れないことです。そうしないと、褒美を貰えないと命令に従わない犬になってしまいます。

褒美に用いるドッグフードは、その日の予定給餌量の中から使って下さい。過度の肥満や食べ過ぎによる下痢を予防するためです。

上手く出来なかったからといって、叱らないこと。

犬種によって頭の良し悪しはありますが、豆柴はとても覚えの良い方です。でも、同じ豆柴でも系統によって違ってきますし、個体差もあります。いろいろ教えることを直ぐ覚えないからといって決して叱ってはなりません。叱ることによってモチベーションはむしろ後退するのみで、百害あって一利なしです。

命令に従ったときは、瞬時に褒める。

犬の訓練とは褒めて覚えさせること、と心得て下さい。褒めることでモチベーションがたかまり、褒められることの嬉しさで、嬉々として次の命令を待つようになります。褒めるタイミングは、瞬時です。褒め方は褒め言葉と体を撫でながら本気で喜んであげることです。

命令の掛け方と、その重要性。

声符はハッキリ聞き取れることが大事。

声符とは声による命令です。声符は声が低過ぎたり、聞き取れないようではいけません。落ち着いて、しかも、明瞭な声で発声するように心がけてることが重要です。

指符は何時も同じ形であることが大事。

指符とは主に腕と手を使った、身体の動きと形による命令の出し方です。声の届かない遠くから命令するときや、騒音の高い場所で命令するときに有効です。指符は姿勢を正して、何時も同じ形で行うことが重要です。

指符は常に声符とともに用いることで相乗効果を発揮する。

指符は、普段から声符と共に行っておくことが必要です。犬の方もその方が覚え易く、完成度が高くなります。相乗効果によるものです。結果的に訓練期間も短縮され、普段であっても、声符の必要がなく、指符のみでテキパキと行動するようになります。

訓練の上で守るべき基本的注意点。

子犬の訓練時間は1回に5分以内とする。

訓練は根気よく、と申し上げましたことで誤解がないように、補足しますが、最初はほんの2,3分でも十分です。永くても5分以内が効果的です。嬉しくて遊びたがっているときに行うこと、飽きるまではしないことが大切です。

普通、回数は1日に2,3回が適当ですが、意欲が旺盛であれば回数を増やしても構いません。

訓練の場所も考慮する。

訓練をする場所の選び方も無計画ではいけません。最初は慣れた場所で行い、訓練成果に合わせながら、自然に騒音や誘惑の多い場所へと変えていって下さい。どのような場所でも、気が散ることなく落ち着いて命令どおり行動できるようになれば完成です。

声符・訓練用語は簡潔に。

訓練の際の命令用語(声符)は家族で話し合い、統一しておくことは勿論ですが、簡潔であることも大切です。『スワレ!』(または『オスワリ!』)『フセ!』『マテ!』『ハウス!』『イケナイ!』等です。

家庭犬初歩訓練の実際。

対面停座のさせ方。

ここでは対面停座について述べます。ドッグフード一粒を鼻先に持って行き、ゆっくり頭上へ向かって移動しながらスワレの命令をかけます。子犬は尻餅をつくように腰を下ろし、座った姿勢になります。その瞬間に『よし、よし』と言って褒めながら、手にしていたドッグフードを与えます。

それで座らない場合は、右手でリードを持ち、左手で膝蓋骨の後ろを軽く押しながらリードを後ろへ引くと座る姿勢になります。繰り返し練習してドッグフードをかざさなくても『スワレ』だけで座るようになったら、『スワレ』の声符と同時に指符も併用して命令します。そうすれば間もなく、指符だけで座るようになります。

指符の要領は、犬と向かい合って直立の姿勢で立ち、右手を上に上げます。このとき上げる右手は、指し指状態にします。

伏臥のさせ方。

座った姿勢になったら、左手でリードを持ち、右手でドッグフード一粒を鼻先に指し出します。すると犬は欲しがりますので、そのときドッグフードを持った右手を下に移動しますと、犬は自然と伏せの姿勢をとります。それだけでうまくいかないときは、リードで引き下げると効果的です。

伏せが出来るようになったら今度は『伏せ』の声符と共に、右掌で地面をたたくような手の動きの『指符』を併用して命令します。『指符』のみで命令に従うようになるのに、大した時間はかかりません。

待てのさせ方。

座った姿勢でも、伏せの姿勢でも構いません。勿論『立って待て』もです。何れの場合も一度『待て』を覚えたら、全てに応用できます。一番簡単なのは食餌を待たせるときです。

方法は、始めは伏せの姿勢でドッグフードを見せ、『待て』の声符で少し遠ざけます。ドッグフードを食べようと前に出ようとしたら左手で制御して下さい。始めは10秒も待たせたら、『ヨシ』と言って与えて下さい。

待つ、ようになったら指符を併用します。指符は右掌を犬の方に向けての押すような手の動きです。

招呼の教え方。

座った姿勢等で待たせておき、呼んだら直ぐ来ることが基本であり、初歩の段階です。来たら褒めることから始めて下さい。


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カテゴリ: 豆柴の飼い方