豆柴の価格は、体型、大きさ、性格、血統などの犬そのものが持つ資質によるランクと、ブリーダーにおける繁殖の状況や訓練など引き渡し前の環境、そして各種保証などのアフターサービスによって決まります。安く売られているものにも、高く売られているものにも、それぞれ理由があるということです。また、質のよい犬を安く買う方法もあります。ここではそうした豆柴の価格についてご説明します。
豆柴価格の決まり方
競争馬・サラブレッドの値段は、数十万円のもいれば、何億円のものもいるように、生き物は工業製品と違い、個体ごとの差の非常に大きいものです。豆柴犬にも要件ごとのランクがあり、またブリーダーの方針や形態によっても価格は変化します。ここではそうした価格の決まり方についてご説明します。
価格の構成要件
価格を構成する要件として主に用いられているのは以下の各項です。これらの各項ごとにランクがあり、その組み合わせで子犬の価格が決まります。購入に際して何をどこまで重視するかは飼い主様次第ではありますが、家族の一員として長く過ごすにあたって軽視できないものばかりです。
- 大きさ。豆柴においては体格の小さなものほど高価になる傾向があります。豆柴は小さい柴犬のことで、犬種ではない、と言っている人がいますが、実際には厳然として存在しています。たまたま小さく育ったその犬一代限りではなく、一定の標準の大きさを何十代も保っている以上、独立した犬種です。ただ、権威ある公認血統登録団体においては現在、分類登録されていない『非公認犬種』時代にあるというだけのことです。豆柴も小豆柴も現在、非公認時代にある犬種であり、大きさは、分かり易く体重で言いますと、健康的肉付き状態での標準が豆柴5,6㎏台くらい、極小豆柴4㎏前後、小豆柴3㎏以下です。
- 毛色。多く生まれるものほど価格が安く、一般的には赤→黒→白の順に高価になっていく傾向があります。
- 黒の値段は、一般的に赤豆柴よりも高いのが普通です。低犬質は別
- 豆柴の場合も一番多く飼われているのは赤。普通犬質なら割安です
- 白は特に値段の差が大きく、良いものは黒や赤よりも高くなります
- 赤胡麻は赤と同程度の値段ですが、黒胡麻は高価格となります
- 雌雄。雌は雄よりも値段が高くなります。出生比率が雄のほうが多く雌は少ないことに加え、多くのご注文を頂いている事より長い待ち時間を短縮するためには、非売にして繁殖犬として当舎に残しておく必要があるのです。それを犠牲にしてあえて販売となりますと、それなりの値段を出して頂く必要があります。また、何れの犬も当舎で去勢・避妊手術を行ったうえでのお引渡しとなります。
- 犬質。血統書や体系など、柴犬としての優れた顔貌・体型・被毛・性質を備えているものほど高価になる傾向があります。
- 性格。明るく活発で無駄吠えせず、飼いやすい性格を備えているものほど高価になる傾向があります。遺伝による素養が大きいため両親犬や近縁の犬の性格が重要です。
- 健康良否。健康な両親犬から生まれ、清潔で健康的な犬舎で育ったものほど高価になる傾向があります。
- 訓練性能。しつけやすく覚えのよいものほど高価になる傾向があります。遺伝による素養が大きいため両親犬や近縁の犬の性格が重要です。
- 社会性訓育。犬社会や人間社会における社会性を身につけるための訓練であり、適切な訓練を受けたものほど高価になる傾向があります。なお犬の社会化期は1度のみであり、日齢28日から90日頃までに適切な訓練を受ける必要があります。
- 保証及びアフターサービス。生命保証や健康保証などの保証、および飼育指導などのアフターサービスが手厚いほど高価になる傾向があります。
ブリーダーの方針による違い
価格の設定は、先述の価格構成要件のうち何をどこまで配慮するかで決まり、それは各ブリーダーの意思・方針によります。以下に、よくあるブリーダーの方針をまとめます。これに照らせば、いわゆる「安物買いの銭失い」を避けることができるでしょう。
- 豆柴であれば(時には発育不良の普通柴)何でも構わず、価格の安さだけで誘引する。
- 子犬のときの大きさだけは一応の配慮する。
- 大きさと犬質に配慮する。前2例よりはいくらか良心的。
- 大きさ、犬質に加えて、性格と健康良否にも配慮する。これは健康管理を実際に徹底しているブリーダーのみがなせる価格設定であり良心的です。よい犬を求めるのであればここが最低ラインです。
- 大きさ、犬質、性格、健康良否、訓練性能、社会性訓育、保証及びアフターサービスのすべてを徹底する。この価格設定は理想の計画繁殖が確実に行われて始めてできるものであり、これこそが富士野荘の行っている系統繁殖の真価です。
社会性訓育の重要性
生後3か月までは社会性訓育の重要な時期です。価格面だけをみての判断は危険です。動物愛護法の定める最低限度の販売可能日齢は、最終的に引き上げられる2020年6月1日からであっても56日です。
したがって、「引き渡し時期、日齢56日に達してから」と表示して販売しているのが、通常の子犬販売方法です。お買いになる皆さん方は、つい価格だけで判断しがちです。
若し3か月、4か月の子犬がペットショップ等にいたら、それは売れ残った犬、そこで、それまで間、飼っていただけにすぎません。それならば何の価値もないどころか、マイナスとさえ言えます。
日々100日までの間、多くの子犬、成犬と一緒に遊び、社会性訓育を受けた犬とでは大違いです。家庭に、家族の一員として迎えられていってからの生活に大きな違いを生むのです。家族の一員として生涯を過ごすのですから、しっかり、社会性訓育を受けた子犬を迎えることが大切です。
ブリーダーの形態による違い
ブリーダーの形態によって繁殖の姿勢に差があり、それが価格に反映していることも見逃せません。日本のブリーダーを大別すると二つのタイプに分類できます。このタイプの違いによっても、値段のつけ方は異なってきます。
- 昔からその犬種が好きで、あるいはある思い入れがあって、専らその犬種のみの繁殖を行ってきたブリーダーです。犬の先進国イギリス等では当たり前のブリーダーのタイプです。
- 流行犬種を追い、その犬種が飽和状態になり値段が下がってくると、次の流行犬種というように、次々と犬種を乗り換える、言わばサーフィン的ブリーダーです。これには素人の新規参入も入ります。豆柴であれば、豆柴のことをよく知らないまま金儲けの手段としているブリーダーです。
前者はプライドがありますから、価値相応の価格をつけています。後者は後発ですから、価格を下げれば売れる、と考えます。これらのブリーダーが扱う犬のレベルは当然ですが大きく異なります。そのレベルの違いから、価格にも10万円台から40〜50万円くらいまでの大きな幅ができます。
保証制度の充実度
富士野荘における補償制度には、引き渡し1カ月間の医療費負担制度、満一歳になるまでの生命保障制度、さらには、豆柴としての大きさの保証は一定のサイズ以上になった場合の補償が利用できるなど、他に類例のない保証制度があります。
結論:価格が高いか安いかは、金額ではなく個々の実質価値で決まる
購入した子犬が死んでしまった場合に備えた生命保証制度を設けているブリーダーもあれば、ないところもあります。大きさの保証然りです。混合ワクチンはどこまで接種しているか、社会性訓育や訓練はしてあるのかないのか、去勢や避妊手術はしてあるのかないのか、また無駄吠えするのかしないのか、性格はどうなのか等など、ブリーダーによって売っている犬はまちまちです。また、それによって引渡し日齢も異なってきます。
子犬の価格が安いか高いかの判断は、本当はその子犬がどれだけの内容を備えているか、実質価値を値段の根拠としなくてはならないのです。つまり、1万円と10万円の子犬とでは、1万円の子犬の方安いという単純な金額の比較で生き物を選んでいると、後悔する羽目になりかねなません。現に10万円で極小豆柴を売っていたので、同じ極小豆柴なら安い方が良いと思って買ったら普通の柴、それもオーバーサイズの柴犬になった、某豆柴ブリーダーから豆柴を35万円で売っていたので安いいと思って買ったら、翌日から毎月病院通い、挙句8歳という短命で死亡、死ぬまでに500万円以上の医療費を獣医さんに支払ったという方もいるのです。
販売 業者 |
販売価格 | 生命保証 | 引渡 時期 |
ワクチン |
避妊去勢手術 |
社会性 |
散歩に連れ 出せる時期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Aブリーダー | 18万円 〜33万円以上 |
なし | 生後50日以上※2 | 6種1回 | 未手術 | なし | 3か月の最終ワクチン接種が済む迄不可 |
Bブリーダー | 25万円 〜50万円以上 |
先天性疾患による死亡に限り14日間 | 生後50日以上※2 | 5種1回 | 未手術 | なし | 3か月の最終ワクチン接種が済む迄不可 |
Cブリーダー | 18万円 〜30万円以上 |
1週間。ただし伝染性疾患による病死に限る | 生後50日以上※2 | 未接種 | 未手術 | なし | 3か月の最終ワクチン接種が済む迄不可 |
Dブリーダー | 25万円 〜35万円以上 |
1週間。ただし伝染性疾患による病死に限る | 生後50日以上※2 | 5種1回 | 未手術 | なし | 3か月の最終ワクチン接種が済む迄不可 |
Eペットショップ | 35万円 〜130万円以上 |
2か月以内の死亡は半額で代替犬提供 | 生後50日以上※2 | 6種1回 | 未手術 | なし | 3か月の最終ワクチン接種が済む迄不可 |
富士野荘 | 33万円~ 55万円以上※ |
病名を問わず満1歳迄 | 生後100日以上 | 3種、2種各1回 7種以上を2回 | 手術済渡し※ | 社会性訓育・訓練済※ | 即日可能 |
※ 社会化訓育・訓練・手術は別途 ※2 売れ残りによる日齢経過もあり、要注意。
富士野荘の生命保証は、死亡原因となる病名は一切問わず満1歳に達するまで有効です。それができるのも、他では類例を見ないほどの最高の環境、たっぷりの愛情の中で、健康に育ったからです。本当は2年でも3年でも保証出来る自信はあるのですが、後は飼い主様の責任と愛育に委ね、一応の区切りとして満1歳までとしました。
なお富士野荘の豆柴の価格は、例えば赤雄の場合33万円位から、上は55万円を超えるのもいます。この価格は、ここまで説明してきたすべての価格構成要件を加味した適正価格であり、富士野荘の自信のあらわれです。
子犬の健康保証サービスの違い
工業製品の製品保証では一か年間以内の故障については無料修理しますというものがよくありますが、それらの製品はまず保証期間内には故障しません。ところが生き物である豆柴の場合、お引き渡し直後というのは環境の変化が大きく、最も病気になりやすい時期です。
このためブリーダーによっては、お引き渡し後1ヶ月を目安に医療費を補償する制度を設けているところもあります。多くは上限金額を設定しているようですが、富士野荘のお引き渡し一カ月間の医療費補償制度では治療費の全額を当犬舎が負担しています。これも富士野荘の子犬の健康に対する自信のあらわれです。
サイズ保証の違い
「豆柴で買ったのに、普通の柴犬の大きさになってしまった」という事例を多く耳にします。これでは、お買いになる立場からすると、不安になるのも当然です。そこで富士野荘では、販売した『豆柴』が万一、体高が雄であれば37.9センチ、雌であれば34.9センチ以上に達した場合、100パーセント補償、つまりお支払いいただいた代金全額を返金します。
富士野荘においては当初から当然のこととして行っているこのサイズ保証ですが、最近はこれを真似ているブリーダーも増えてきたようです。ところが内容と実績はまったく違います。
お客様の中に「今度は本物の豆柴を飼いたいので来ました」とおっしゃる方が時々おられます。話を聞いてみますと、豆柴で買ったのに体重が12キロになった、14キロになった等など、それも申し合わせたような内容です。それなら初めから2、30万円の普通柴を買った方がいいのです。私どもの豆柴は、売りっぱなしの名ばかり豆柴とは違って、いずれも自信の三大保証の利用できる豆柴です。
保証制度は実績の裏付けが必要
医療、生命、サイズ等々の保証制度は、それをどのくらいの期間行うのか、内容は満足できるものなのかの評価が必要です。それも、あるかないかだけでは駄目です。宣伝するだけならば簡単ですが、本当に実行しているのかどうかと、それを実行できるだけの裏づけがあるのかどうかが確認されなければ、正しい値段の評価はできません。
アフターサービスの充実度
飼育、しつけ、訓練など飼育関連の指導といったアフターサービスは、安心して子犬を迎え入れるにあたって非常に重要です。平成25年9月の『改正動物愛護管理法』施行は、悪質ブリーダーにまつわる次のようなトラブルが背景になっています。
- ネットで注文したところ、到着して間もなく死亡したのでブリーダーに連絡をとろうとしたところ所在さえもつかめない
- 着いた時から病気をしていたが何らの責任も取ってくれない
- 飼い方について質問しても返事すら帰ってこない
このように売りっぱなしの無責任な対応をするブリーダーであれば、安い価格での販売も可能でしょう。しかしいくら安いからといっても、これで困るのは飼い主様です。正しい値段の評価をするためには、アフターサービスの充実度も加味されなければなりません。
飼育指導は期間も回数も無制限
飼育指導は期間の制限、回数の制限はなく、その犬の生涯にわたって行います。一例をあげますと、スイスに連れて行かれたお客様への飼育アドバイスがあります。ヨーロッパでは飼い犬が満一歳になると、飼育を継続していいかどうかについては試験によって決められ、それに合格しないと飼えなくなる法律があり、その実技試験合格を目指して大変努力なさった方からの飼育指導についてのご相談のメールが毎日のように参りました。それに対して都度、アドバイス申し上げてまいりました結果、お蔭さまで無事合格しましたとの嬉しいお便りをいただき、こちらまで嬉しくなりました。
優れた豆柴をお届けする取り組み
訓練性能を重視した系統繁殖
訓練性能(覚えのよさやしつけやすさ)は遺伝による素養が大きく影響します。一般家庭で飼うのに高度な訓練はしないまでも、最低限必要なことを教えるとき性能が悪く、なかなか覚えてくれなかったり、家族の言動が理解できず、家庭の生活の輪に溶け込まなかったりでは困ります。
したがって富士野荘では、大きさや体型ばかりでなく、性格と訓練性能を重視した系統繁殖をしております。こうしたことも価格に反映します。
富士野荘が実施する社会性訓育についての詳細は⇒こちら
仔犬の豆柴を購入する場合
豆柴の子犬は個体価格35万円(税込)~
体型、大きさ、訓練性能、性格などによってランクが決まり、そのランクによって、またその子犬が雄であるか雌であるかによっても価格が変わります。子犬はすべて別個の個体ですから一概に価格づけはできませんが、富士野荘における一例としては次のようになっています。
- 豆柴から生まれた子犬で、毛色は赤、雄の場合、価格は35万円位を下限にランクによって決定
- 極小豆柴から生まれた子犬で、毛色は赤、雄♂の場合、価格は55万円からとなります
- 毛色は赤→黒→白の順に、価格が上がります
- 雌の個体価格は雄よりも高くなります
価格には消費税が加算されます。こちらの入手についてはご購入までの流れをご覧ください。
これに加えて富士野荘では、3か月までの社会性訓育及び初歩訓練、並びにワクチン追加接種済、更に、マイクロチップ装着及び登録、去勢・避妊手術完了の生後100日以降での引渡しを行っております。これらの費用は個体価格に加算されます。
お支払いは現金だけですが、分割払いをご希望の方には、ご遠慮なくご相談ください。
成犬の豆柴を購入する場合
豆柴を求められる方には、予算にはこだわらない、最高レベルの小豆柴・豆柴が欲しいという方、これくらいの予算で抑えたいという方、いろいろです。一番多いのは普通程度か、普通程度よりも少し上を希望される方ですが、子犬に拘らなければ10万円でもまた10万円でも買える豆柴犬もいます。あくまで、ご自分の条件に合った選び方をすれば良いのです。成犬で迎えても、立派に家庭に溶け込み、家族の一員として、癒しをもたらし、感謝されています。
低予算で買える豆柴も
豆柴は飼いたいが、予算は低く抑えたい、とお考えの方のご要望にもお応えできる、安価にお譲りできる犬もいます。これらは主として、以下のような犬です。
- 年齢5歳以上の繁殖リタイヤ犬
- 繁殖用に育成したものの、途中で不向きと判定した1歳前後の若犬
- その他の若犬や子犬など
ただし、私たちが我が子同然に育ててきた犬たちですから、里親となっていただける方にも条件があります。豆柴の里親募集をよくご覧のうえ、お問い合わせください。
一番高くつく、名ばかりの豆柴にご注意‼
豆柴にせよ、小豆柴にせよ、購入する上で最も注意しなければならないのは、本物を選ぶことです。
豆柴で買ったのに柴犬、それもオーバーサイズの柴犬になったといった話は枚挙に暇はない程耳にします。続きを読む